旅に出たい

2022/1/8

学生時代は、海外を自由に旅することのできる、唯一と言ってもいい期間だ。そんなところに未曾有のパンデミックが世界を襲い、旅行どころではなくなってしまった。この2年間、気分転換にやることといえば決まって旅のアイディア探しだった。そのおかげで、今まであまり縁のなかった国や地域にも興味を持つようになった。
そこで、いま行ってみたい海外の旅行先を、予算や日程、渡航規制の状況を度外視してリストにしてみた。

カナダ 🇨🇦


言うまでもない。カナダは自分にとって憧れの地であり、交換留学生として8か月の滞在が約束されていたはずの場所だ。バンクーバーから大陸横断鉄道 VIA Rail に乗り、カナディアンロッキーとプレイリーの雄大な景色を眺め、モントリオールからセントローレンス川に沿って北上し、欧州の香りが漂うケベックシティで旅を終える。費用と体力が持つか不安だが、カナダという多様で多彩な国は一気に堪能してこそ味わい尽くせる気がする。

パタゴニア 🇦🇷🇨🇱


アウトドアブランドの「パタゴニア」の由来でもあるこの地名は、南アメリカの最南端に位置する大自然の一帯を指している。せっかくこれからスペイン語を勉強するんだから、ラテンアメリカのスペイン語圏も旅してみたいよな、と思い、“地球の裏側” に興味を持ち始めた。南アメリカに対して多くの人が抱くイメージは、アマゾンの熱帯雨林やマチュ・ピチュといったところだと思うが、パタゴニアはそんなイメージとはかけ離れている。雪に覆われた山々と草原、氷河... つまりは南半球のカナダなのだ(おい)。できれば馬の外乗(馬に乗って乗馬クラブや牧場の外に行くことをそう呼ぶ)をしたいなあ。

サンクトペテルブルク・モスクワ 🇷🇺


私は旅行のアイディアをインスタグラムやYouTubeで集めている。視覚や聴覚で入ってくるファーストインプレッションは、やはり感動の “反響” が大きい。サンクトペテルブルクとモスクワは、そんなYouTubeの動画がきっかけで興味を惹かれた例の1つだ。川沿いに立つエルミタージュ美術館のターコイズ色の壁、雪化粧した姿は相当綺麗なんだろうな。モスクワの豪華絢爛な地下鉄駅も必見だ。まるで美術館にいるかのような空間が、核ミサイル攻撃に耐えられる地下深くに広がっている。街中には、ロシアン・アバンギャルドの壁画なんかも、まだまだ残っているそうだ。西欧とは違った「もうひとつのヨーロッパ」をこの目で見てみたい。

スコットランド 🏴󠁧󠁢󠁳󠁣󠁴󠁿


いつでも行けそうで、絶対に行かなそうなのがスコットランド。スコットランド行きの真の目的は「カレドニアン・スリーパー」という寝台列車に乗ることにある。我が国の寝台列車もここ十数年であっという間に姿を消してしまったが、イギリスとて時代の趨勢には抗えず、この「カレドニアン・スリーパー」と、イングランド西部コーンウォール地方に向かう「ナイト・リヴィエラ」の2つを残すのみとなってしまった。この列車からは、これぞイギリス!という田園風景が味わえる。緩やかな丘陵と、奥に見える霧のかかった山々、ハリーポッターのワンシーンが目に浮かぶ。

アブダビ 🇦🇪


エティハド航空は、わずかなオプション料金だけで数日間ビザ(と隔離措置)なしでアブダビに滞在できる「ストップ・オーバー」という制度を設けている。ヨーロッパかどこかへ行くついでにこの制度を利用して、動画の冒頭にも出てくる噂の「ルーブル・カタール美術館」を見学してみたい。産油国の栄華はこの先そう長く続かないだろうから、湾岸諸国の浮世離れした光景が見られるのは今だけかもしれない。

ダナン 🇻🇳


ベトナムの麺料理「フォー」は私の大好物である。八角の香りがいいんだよなあ。ぜひ一度は本場の味を食べてみたい。日本からは近いことだし、LCCで気軽に旅ができる日常が早く戻ってきてほしい。

ざっとこんなところである。まずはスペインに無事行くことだ。とはいえ、この渡航は経産省からの出資で運営されているプログラムに参加するのであって、観光が目的ではない。スペインは旅行というよりも、何気ない日常や街並み、仕事終わりの気晴らしの散歩なんかを楽しむことにしたい。


Haruki Kinoshita

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